スナップエンドウ栽培では、「摘心」をすることで栽培環境を改善したり、収穫量のアップ等が期待できますが、初心者には摘心のやり方(摘心場所)が少々わかりづらいです。
しかも、摘心場所には「孫づる」と「主茎の先端部分」の2パターンがあるみたい…
そこで今回は、スナップエンドウの摘心の仕方2パターン(図解・動画あり)や、気になる関連情報について紹介します。
- スナップエンドウ栽培の「摘心」とは?摘心場所はどこ?
- スナップエンドウ栽培の摘心の仕方は?(2パターン・図解あり)
- スナップエンドウ栽培の摘心時期はいつ?目安は?
- 必ず摘心しないとダメ?メリットやデメリットは?
スナップエンドウ栽培の「摘心」とは?摘心場所はどこ?
「摘心(てきしん)」とは、「成長途中の芽を摘み取る(カットする)剪定作業」のことで、摘心を行うことで側枝の成長を促して収穫量を増やしたり、栽培環境を改善することができます。
摘心のことを「芽の先端部分をカットする作業」と紹介しているものが多いですが、
スナップエンドウ栽培の場合は、「摘心」と一言でいっても、摘心場所には「孫づる」と「主茎の先端端分」の2か所があり、「孫づる」は芽の先端部分とはちょっと違うため混乱しがちです。
「摘心」については、2つの内容が混同されてることが多いから、
わけがわからなくなりがち…
【スナップエンドウ栽培】摘心の仕方2パターン(図解あり)
スナップエンドウ栽培での摘心の仕方は、下記となっています。
- ハサミでカットまたは手で折って摘み取る。
病原菌がつかないよう、ハサミの場合は清潔なものを使用し、手で折る場合は断面が綺麗になるよう勢いよく折りましょう。
また、スナップエンドウの摘心場所には下記の2パターンがありますので、それぞれ分けて紹介します。
- 孫づるをカット
- 主茎の先端部分をカット
摘心の仕方①:孫づるをカット(図解)
【摘心の仕方①:孫づるをカット】
スナップエンドウには、「親づる(主茎)」「子づる」「孫づる」がありますが、スナップエンドウ栽培の摘心では、この「孫づる」をハサミでカットまたは手で摘み取ります。
(子づるや孫づるは、「わき芽」とも言われます。)
【図解(イメージ)】
親づる→子づる→孫づるの順に花(及び実)の量が減っていき、孫づるにはあまり花がつかないため、孫づるをカットすることで他の場所に栄養を集中させ、日当たりや風通しも良くすることができます。
■参考になる動画:「のんびり田舎暮らし」氏YouTube↓
ただ、図解では比較的わかりやすいですが、実際の栽培では茎(子づる孫づる)がどんどん増えていきますので、どの部分を切るべきかがかなりわかりづらくなります。
孫づるは茎が混み合う前に早めにカットしたほうが良いですが、早い時期に誤って子づるを切ってしまうと成長が阻害されてしまいますので、よくわからない初心者の方は、「全体的に茎が混み合ってきたら、花がついていない弱々しい茎をカットする」というざっくりした剪定でも良いでしょう。
(孫づるは基本的に子づるよりも細いです。)
また、親づるに一番多くの実がつくため、栽培方法には「親づるのみの1本仕立て」で育てるという方法もありますので、子づるを誤ってカットしてしまった場合は、こちらに切り替えるのもありです。
定期的に株をチェックして摘心し、実(莢)の成長や栽培環境を整えていきましょう。
(摘心する際には、先端が枯れている茎や下の方の枯れている茎もカットしておきましょう。)
■参考になる動画:「農家直伝!家庭菜園らいふ」氏YouTube↓
摘心の仕方②:主茎の先端部分をカット(図解)
【摘心の仕方②:主茎の先端部分をカット】
スナップエンドウ栽培での、もう一つの摘心は、主茎(親づる)の先端部分をハサミでカットまたは手で摘み取るというものです。
【図解(イメージ)】
スナップエンドウに関わらず、こちらの方法は他の野菜でもよく行われていますので、「摘心」と言えば、こちらのほうが一般的でしょう。
こちらの摘心も、孫づるの摘心と同様に、主茎を断つことで側茎の成長を促進し、実(莢)の状態や栽培環境を良好にすることができます。
また、こちらの方法は、成長しすぎるスナップエンドウの背丈(高さ)を抑えるという目的もあります。収穫や剪定ができる高さでカットするのが一般的ですので、伸びすぎて垂れ下がってくる前に、ネット上部等から飛び出ている部分はカットしておきましょう。(伸び過ぎている場合は、子づるの先端でもカット。)
収穫量にこだわらなければ、プランター栽培なら育てやすい草丈60㎝程度でカットしても良いでしょう。
■参考動画:「ニャハハの家庭菜園」氏YouTube↓
スナップエンドウ栽培の摘心時期はいつ?目安は?
スナップエンドウ栽培の種まき時期は、秋蒔きが「10月~11月頃」、春蒔きが「1月~2月頃」となっていますが、摘心時期は、下記が目安となります。
【孫づるを摘心する場合】
- 孫づるが伸びてきた頃(茎が混み合ってくる前に)
- 茎が混み合ってきたら適宜
【主茎の先端部分を摘心する場合】
- 開花前(分岐を促進したい時期に)
- 目的の背丈に達した時(背丈を抑えたい時)
- 露地栽培やネット栽培の場合:収穫後期、つるがネット上部に達する時
摘心時期は、スナップエンドウの成長具合や摘心する場所・摘心する目的によって変わってきますので、上記の目安を参考にしつつ、適宜摘心していきましょう。
スナップエンドウ栽培は摘心しないとダメ?メリット・デメリット
上記でも紹介していますが、スナップエンドウ栽培で摘心をすると、下記のメリットがあります。
- 他の部分により栄養が行き、収穫量が増える。
- 風通しや受光が良くなることで、品質の良い莢(さや)が増える。病害虫が減る。
- 主茎の摘心の場合、高さを抑えて栽培ができる。
収穫量が増えるということで、最近は家庭菜園でも摘心する方が増えているようですが、摘心をするデメリットとしては、下記が挙げられます。
- 手間がかかる。
- 摘心の場所がわかりづらいため、子づるを切ってしまう。
孫づるを摘心する場合、スナップエンドウは2本立てで育てる方も多いと思いますが、2本立てにするとつるが絡み合って摘心をするのに手間がかかります。
また、素人だと孫づるがわかりづらく、誤って生育初期に子づるを切ってしまう可能性もあります。
最近は、摘心をおすすめしている情報も多いですが、栽培工程の中に摘心が記載されていない本やサイトも多いため、必ず「摘心しないとダメ」というわけではありません。
「摘心は必要ない」という声も多く、特に家庭菜園で育てる場合はそこまで収穫量を増やしたり実(莢)を太らせる必要はないため、家庭菜園初心者の方はそこまで気にする必要はないでしょう。
収穫量アップや大きな実(莢)にチャレンジしたい方、生育の調子が悪い方、虫が嫌いな方などは、試してみると良いと思います。
まとめ:スナップエンドウ栽培の摘心の仕方2パターン・図解あり!しないとダメ?
今回は、スナップエンドウ栽培の摘心の仕方2パターン(図解あり)と、気になる関連情報について紹介しました。
【まとめ】
- スナップエンドウ栽培の摘心場所は「孫づる」と「主茎の先端部分」の2か所。
- スナップエンドウ栽培の摘心方法は、ハサミでカットまたは手で摘み取る。
- スナップエンドウ栽培の摘心時期は「孫づるが伸びてきた時」他、適宜。
- 必ず摘心しないといけないわけではない。
スナップエンドウの摘心時期や必要性の有無については様々な意見がありますので、今回紹介した内容が絶対というわけではありません。
スナップエンドウの摘心には、2つのパターン(主茎の先端をカット・孫づるをカット)がありますが、なぜかどちらかの方法しか紹介されていないことが多いため、混乱した方の参考になれば幸いです。
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